2014-06-11 コパチンスカヤ&リフシッツ(フェニックスホール)

C.P.E.バッハ:幻想曲 嬰ヘ短調 Wq80
シマノフスキ:神話
シェーンベルク:幻想曲Op.47
−−−休憩−−−
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第1番
[アンコール]ベートーヴェン:クロイツェル・ソナタ〜第3楽章
パトリシア・コパチンスカヤ(vn)
コンスタンチン・リフシッツ(pf)
2014年6月11日 19時 フェニックスホール

最初のC.P.E.バッハの幻想曲ははじめて聴きました。変な(でも面白い)曲ですねー。気まぐれにふらふらさまよい歩くピアノに、ヴァイオリンが2,3音の断片的な音型をときどきかぶせていくみたいな曲。コパチンスカヤは、なんとピアノの後ろに立って弾いてました。プレトークで伊東信宏さんがおっしゃるには、「ヴァイオリンはこの曲では影のような存在と彼らは考えている」とのこと。

シマノフスキの『神話』は名曲で録音もたくさんあります。たいていの演奏では神秘的な感じを強調して、どちらかというとメリハリや表情を抑えめに弾くことが多いと思うんですが、コパチンスカヤはかまわず感情を濃厚に乗せた演奏。シェーンベルクも同様で、こんなにロマンティックに情熱的な演奏が可能だとは思いませんでした。もうシェーンベルクといえば楽譜通り弾くだけでありがたいという時代は遠い昔なんですね。

プロコフィエフは、最初からもう思ってたのと全然違う。冒頭のヴァイオリンの半音上昇の2音目にものすごく強いアクセントをつけたり、第1楽章終わりの「墓場の風のように」と作曲者が語ったというスケール上下行にはっきりした強弱をつけたり。終楽章なんて、もう踊りださんばかり。

熱烈な拍手に応えて笑顔のコパチンスカヤが小走りに出てきてアンコール。リフシッツがバーーーンと和音。おおっ、クロイツェル!これがまたのりのりのすごい演奏でした。ピアノとの本当に楽しそうな掛け合いで、どのフレーズがどういう感情を表してるか、コパチンスカヤの顔にもちゃんと現れていて(たとえば「楽しい−!」とか「だって…」みたいな表情をするんです)、実にエキサイティングで面白かったです。

本当に個性的な演奏をする人ですが、自分はこの曲はこう言ってると思う!というのを確信をもって弾いている感じがするので、こっちが思っている曲のイメージと違っていても説得力がありますね。私は大好きです。まだまだ大阪では知名度がないのか、今回は、あの小さなフェニックスホールに空席がありましたが、次回はチケットが取れないぐらいになる可能性もあると思います。皆さん次回来たらぜひ聴いてください。

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コパチンスカヤといえばこれ。ラプソディア

なんとファジル・サイとのデュオ。

バルトーク、エートヴェシュ、リゲティ。20世紀ハンガリー作品集。

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ほか。コパチンスカヤにしては意表を突く曲目ですね。

ストラヴィンスキープロコフィエフの協奏曲。今回はN響プロコフィエフを弾きました。


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