2011年6月のコンサート

会場はすべてザ・シンフォニーホール

6/5 Sun 15:00 アレクサンダー・ガヴリリュク(pf)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 「月光」 op.27-2
ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調 op.66
ショパン:2つの夜想曲 op.48
ショパンスケルツォ 第1番 ロ短調 op.20
−−−休憩−−−
ラフマニノフ:楽興の時 op.16
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調 「戦争ソナタ」op.83
(以下アンコール)
スクリャービン:練習曲Op.2-1
フィリペンコ:トッカータ
ラフマニノフ=コチシュ:ヴォカリーズ

とにかくうまいし、音がきれいだし、歌心もある。やっぱりこの人はいいです。こういう演奏会を聴くと、今のピアノ界、実力のある人は確実に、しかも結構たくさん出ているんだなという気がします。ラフマニノフが特に良かったです。アンコールは他のところより少なかったみたいですね。

6/17 Fri 19:00 クシシュトフ・ウルバンスキ指揮 大阪フィル定期*
ルトスワフスキ:小組曲
シマノフスキ:ヴァイオリン協奏曲 第2番 作品61(ヴァイオリン:諏訪内晶子
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番〜ラルゴ(アンコール)
ストラヴィンスキー:バレエ組曲火の鳥」(1945年版)

2年前にショスタコーヴィチの10番の名演(と、ショパンの協奏曲)を聴かせてくれたウルバンスキですが、今回もポーランドとロシアの作品。ルトスワフスキは当然生で聴くのは初めてでしたが、楽しい曲です。大フィルもなかなかキレのいい演奏でした。シマノフスキの2番は、この作曲家らしい謎っぽい美しさたっぷりの名曲。諏訪内さんのヴァイオリンは相変わらずうまいです。ぜいたくを言えば、この曲にはもうちょっと耽美的な歌があるほうが好みではあるんですが、ぜいたくすぎるか。火の鳥はちょっと珍しい45年版。すみずみまでコントロールの行き届いた見事な演奏でした。ウルバンスキ、また来て欲しいけど、あっという間に手の届かない大スターになる可能性もありますね。

6/23 Thu 19:00
尾高忠明指揮 関西フィル定期 宮田 大(vc)
リャードフ:魔法にかけられた湖
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番
ラフマニノフ交響曲第1番

リャードフはきれいな曲なんですがあんまり演奏されないですね。何年か前にボレイコ指揮PMFで聴いて以来でした。関西フィルは洗練されたいい音を出してました。ショスタコーヴィチの宮田さんはうまいですねー。別の曲でも聴いてみたいです。ラフマニノフは珍しい曲を聴けてありがたかったし、尾高さんの引き締まった指揮もよかったんですが、ホルンがちょっと不調でした。ショスタコーヴィチもですが。

6/24 Fri 19:00
下野竜也指揮 大阪響定期 上森祥平(vc) 野田清隆(pf)
矢代秋雄:チェロ協奏曲
矢代秋雄:ピアノ協奏曲
フランク:交響曲

矢代秋雄の2曲はすごい名曲だと思うんですが、生で聴くのは初めて。上森さんは大阪フィルの客演首席でおなじみの人。どちらも良かったです。野田さんの弾くピアノ協奏曲はかなり熱く盛り上がる演奏でした。中村盤とはまた違って新鮮。後半のフランク、もちろん名曲だとは思うんですが、さほど思い入れがあるわけでもなく、矢代のおまけぐらいのつもりで聴いたんですが、これがすばらしい名演でした。とにかくオーケストラの一体感がすごくて、この曲のうねるようなエネルギーとか複雑な声部の絡み合いのおもしろさとかを非常に生々しく感じました。