北米オケの音楽監督候補たち(6)シャーロット響

 次はノース・カロライナ州のシャーロット響です。ここは明後日(26日)に新音楽監督が発表になるので、駆け込みで急いで紹介しておきましょう。シャーロット響は1932年創設のオケで、現音楽監督はクリストフ・ペリックです。この人はN響に何度か来ているほか、CAPRICCIOからフランツ・シュミットの『ノートル・ダム』のCDを出してますね。昔N響の生中継でショスタコーヴィチの7番を放送で聞きましたが、なかなかいい演奏だったように記憶しています。

 オケの公式サイトにはこの最終候補者たちのことは載ってない(見つからなかった)ので、The News & Observer 紙のS・ブラウン Steven Brown 氏の記事によって書きます。ブラウン氏のお気に入りはグラムズとミラノフのようですが、彼らは他のオケの音楽監督候補にもなっていて、中でもニュージャージー、ユタ、コロラドなど、シャーロットよりも財政も音楽的可能性も豊かなオケは、彼らを獲得するために使えるものが多いということが指摘されています。例えば、シャーロットの音楽監督ペリックの年俸は$157,140ですが、ユタ響のキース・ロックハートは$256,555、ってえらく生々しい数字ですが。

 最終候補者は8人、すでに何度か名前の出てきた人や、日本でもおなじみの人が多いです。

アンドリュー・グラムズ Andrew Grams

フォートウェイン・フィルの項で紹介済みです。やはり音楽監督を捜しているサンアントニオ響、ニュージャージー響、ユタ響にも客演予定、ということはそちらで選ばれる可能性もあるわけです。

ロッセン・ミラノフ Rossen Milanov
http://www.rossenmilanov.net/
http://www.hirasaoffice06.com/files/con11milanov.htm
http://hpac-orc.jp/concert/20100312.php?cal=200906
http://www.youtube.com/watch?v=2Im50M8AVmU

 1965年ブルガリア・ソフィア生まれ。フィラデルフィア管副指揮者、ニュージャージー州Symphony in C (旧 Haddonfield Symphony)とソフィアのNew Symphony Orchestra音楽監督ブルガリア国立放送響首席指揮者。日本ではN響のオーチャード定期を振っています。来年3月には兵庫芸術文化センター管に来ます。ミラノフもニュージャージーサンアントニオに客演予定。

ジェームズ・ガフィガン James Gaffigan
http://www.citymusiccleveland.org/AboutUs/musicians_details.php?mid=1
http://www.dirigentenwettbewerb-solti.de/english/2004_en.html
http://www.youtube.com/watch?v=Z_U_I5TIBjI

 1979年ニューヨーク生まれ。2006年からサンフランシスコ響副指揮者。2004年の第2回ショルティ国際指揮者コンクール第1位(イヴォ・ヴェンコフと同時受賞)。客演ではすでに有名なところから呼ばれていて、アメリカだけでもフィラデルフィアロチェスター、ニューヨークはデビュー済み、今後トロントボルティモア、シカゴの予定があります。オペラでも、チューリヒ歌劇場で『ボエーム』を振ったほか、今年はグラインドボーン歌劇場のツアーで『ファルスタッフ』を振るそうです。

クリストファー・ウォレン=グリーン Christopher Warren-Green
http://en.wikipedia.org/wiki/Christopher_Warren-Green
http://www.harrisonparrott.com/artists/Christopher_Warren-Green.asp
http://www.bbc.co.uk/musictv/maestro/whos-who/the-mentors/christopher-warren-green/
http://www.youtube.com/watch?v=aip25sTNogA

ロンドン室内管、メガロン管(アテネ)首席指揮者、元々はヴァイオリニストで、ASMF、フィルハーモニア、BBCウェルシュ響のコンサートマスターを歴任しました。その関係か、ロンドンの有名なオケはたくさん振っているようです。N響にも来ましたが、その時はワーレングリーンと書かれてたようです。

エドウィン・アウトウォーター Edwin Outwater
http://www.edwinoutwater.com/

 1971年カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。キッチナー=ウォータールー響音楽監督。もう何度も紹介してますね。ルイヴィルの最終候補の一人にして、ようつべ響の指揮者です。


この作曲家、何て読むんでしょうね。

シュテファン・ザンデルリンク Stefan Sanderling
http://www.nipponartists.jp/artist/ad_01_05.html
http://www.youtube.com/watch?v=KAMQsFLTcls

 1964年ベルリン生まれ。言うまでもなくクルト・ザンデルリングの息子で、兄トマス、弟ミヒャエルも指揮者です。現在はフロリダ管、シャトークァ響音楽監督、トレド響首席指揮者。この8人の中で、私が唯一生で聞いたことのある人です。

ティエリ・フィッシャー Thierry Fisher
https://www.nagoya-phil.or.jp/concerts/2009/p_fischer.html
http://www.youtube.com/watch?v=gfriY1o07rU

 1957年スイス生まれ、ご存じ名古屋フィル常任指揮者、BBCウェルシュ・ナショナル管首席指揮者です。

ウィリアム・エディンズ William Eddins.
http://www.williameddins.com/
http://www.youtube.com/watch?v=SNMNy5CgDzM
http://www.youtube.com/watch?v=yONsHAaA4Ws

 1964年バッファロー生まれ、カナダのエドモントン交響楽団音楽監督、リヨンで『ポーギーとベス』を振ったり、オペラでも活躍しています。CDが面白くて、ナクソスからヴァージル・トムソンのチェロ協奏曲他のCDを出しているほか、ピアニストとしても『ハンマークラヴィーア』とかを録音してるんですね。