2014年8月のコンサート

8/5 Tue 19:00 ザ・シンフォニーホール
佐渡裕指揮 PMFオーケストラ セルゲイ・アントノフ(vc)
バーンスタイン:キャンディード序曲
チャイコフスキーロココ変奏曲
ショスタコーヴィチ交響曲第5番

マゼール指揮の予定でしたが、マゼールが亡くなったので佐渡裕に変更。曲目は、マゼール自作の「モナコ・ファンファーレ」が「キャンディード」に変わりました。結果、他はそのまま。最初から佐渡さんが決めたみたいなプログラムになりました。ちなみに佐渡さんはPMF出演は第2回だかで振って以来とのこと。

キャンディード序曲、いきなり元気のいいでかい音。そうそうこれこれ。PMFはこれでなきゃ。佐渡さんも煽る煽る。
ロココ変奏曲 アントノフのチェロはとても音がきれいでした。ソロのところではテンポを落としてゆっくり歌ってましたが、そういうところにこの人の持ち味が出てたように思います。アンコールとして最終変奏を繰り返し。
ショスタコーヴィチは、第1楽章の序奏を速めに、主題でテンボを落としたり、フィナーレの最初を猛スピードで入って、最後も結構速かったりと、特徴的な解釈。この曲を得意とする佐渡さんだけに、第1楽章の展開部の大迫力とか、第2楽章のゴリゴリいうチェロ(配置が左1Vn右Vcだったのもそのせい?)とかキテました。アダージョもしっかり歌ってて良かったです。今年は突出してうまい人というのはいなくて、多少乱れもあったんですが、全体としてはテンション高くて楽しめました。





8/26 Wed 19:00 神戸文化ホール 大ホール
パスカル・ロフェ指揮 NHK交響楽団 堤剛(vc)
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲
[アンコール]バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番〜メヌエット
チャイコフスキー交響曲第4番
[アンコール]ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第1番 Op.46-1

N響の近畿公演の一環で、橿原、大津、京都、神戸と回るようです。N響を生で聞くのは久しぶりでしたが(だって地方公演は高くて曲がつまらなくて知らない指揮者ばっかりだし)、テレビで見てる人を実際にステージで見るとテンション上がりますね。まあ2階の後ろの方だったんで小さくしか見えませんでしたが。今日はコンマスは堀さん、チェロトップは藤森さんでした。他はフルートの神田さんとかオーボエの茂木さんとか。

ドヴォルザーク、堤さんのチェロ、すばらしいですね。先日のPACのドンキホーテもそうでしたが、風格があるとはまさにこのこと。御年72歳ですが、力強い音だし、、第2楽章のシンプルなメロディあたりを心持ち遅めに歌うと、尋常じゃない説得力があります。アンコールのバッハがまた良かった。自然に弾む生き生きした音楽。チェロのアンコールはサラバンドとかが多いですが、この曲はいいですね。

後半はチャイコフスキーの4番、こちらはロフェとN響の音楽。いやー、今のN響ってすごいんですね。異次元のアンサンブルの良さ。これは指揮のせいもあるんでしょうが、フレージングがものすごく鮮明に見えるので 混じり気なし感がすごい。ここ数年聞いた外来オケでも、こんなに揃ってるオケはなかったです(ベルリン・フィルとかは聞いてませんよ)。第3楽章なんて唖然としました。ところが、面白いことに、これがまったく血湧き肉躍らない音楽。可能な限りテンポを動かさないという方針らしきロフェの指揮のせいもあると思いますが、非常に醒めた音楽。チャイコフスキーの4番ですよ。この曲がこんな風になるとは思いませんでした。でも実は私、こういう演奏嫌いじゃありません。ケーゲル的な冷たさっていうんでしょうか。アンコールのスラブ舞曲も正確無比なんですが、全然興奮しない。面白い。


ロフェの指揮