北米オケの音楽監督候補たち(5)メンフィス響

http://www.gomemphis.com/news/2009/mar/05/ovation-for-trio-of-mso-finalists/

 メンフィスより先によそのオケの話なんですが、下に書いたフェアファクス響の音楽監督は、最年長のクリスファー・ジンマーマンに決まりました。フェアファクス響の年間予算は120万ドル、そのうちチケット収入は30万ドル以下で、残りはフェアファクス・カウンティなどの補助金と個人の寄付でまかなっているので、これをどう獲得するかがジンマーマンの成功のカギになりそうです。

 さてメンフィスに戻ります。テネシー州メンフィスは、エルヴィス・プレスリーの育った町、亡くなった町として有名なところで、メンフィス響も8月にプレスリー記念コンサートをやるようです。このオケは1952年創設ですが、これまで音楽監督はわずか3人、ヴィンセント・ド・フランク、アラン・バルター(1984年就任)、そして現音楽監督(1999年就任)のデイヴィッド・ローベルだけということで、国際的知名度はないものの、音楽監督といい関係を築いてきたオケのようです。ちなみにローベルは東京フィルに来たこともあるそうです

 このオケも、ローベルが2009-10年シーズンの終わりに勇退するのに伴い楽監督を選ぶことになりました。最終候補は3人です。

メイアン・チェン Mei-Ann Chen
http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2001/00755/contents/00009.htm
http://www.youtube.com/watch?v=jZbSaYLJmHQ

 台湾生まれ、1989年に渡米、ニューイングランド音楽院でヴァイオリンと指揮の修士号を取得(同時に2つというのは同音楽院史上初)、ミシガン大学音楽学の博士号取得。現在アトランタ響副指揮者。2005年4月、ニコライ・マルコ指揮者コンクールを女性として最初に優勝しました。

トーマス・ウィルキンス Thomas Wilkins
http://www.hughkaylor.com/ThomasWilkins.html
http://laist.com/2008/06/18/laist_interview_thomas_wilkin_princ.php

 ヴァージニア州ノーフォーク生まれのウィルキンスは、2005年からオマハ音楽監督のほか、デトロイト響レジデント・コンダクターも9シーズン務めています。2008年3月には、ハリウッド・ボウル響首席客演指揮者となりました。

アラステア・ウィリス Alastair Willis

 ウィリスはリッチモンド響の最終候補者でもありますので、そちらをご参照ください。

 ここに取り上げる前に音楽監督が決定したので飛ばしましたが(余裕があれば取り上げます)、ケンタッキー州レキシントン・フィルというオケが、やはり音楽監督を捜していて、チェンとウィリスの二人が最終候補者10人に残っていました。しかし、最終決定が出る前に辞退しています。