2011年5月のコンサート

5/10 Tue 19:00 児玉宏指揮 大阪響
リヒャルト・シュトラウスクレメンス・クラウス編):歌劇『ダナエの愛』〜交響的断章
同:交響詩死と変容
ミャスコフスキー交響曲第24番

 やっぱりこの日はミャスコフスキーが白眉でした。最初のファンファーレも決然としてましたし、その後の堂々とした歩みも良かったです。ちょっとブルックナー風でしょうか。『ダナエの愛』はあんまり演奏されないですがいい曲なので、聴けてありがたかったです。

5/18 Wed 19:00 マルク・ゴレンシテイン指揮 ロシア国立響
グラズノフバレエ音楽『ライモンダ』〜3曲
ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番(独奏:アレクサンドル・ブズロフ)
ラフマニノフ交響曲第2番
ラフマニノフ:ヴォカリーズ(アンコール)

 一番印象的だったのが、ゴレンシテインの指揮振りでした。とにかく終始手をひらひらさせながらの指揮で、ちょっと他にこういう指揮をする人は記憶にありません。「ロシア国立」というと、ものすごくでかい音という印象がありますが、むしろ柔らかい音でした。ライモンダはきれいな演奏ですが、曲があんまりいいと思わないので…。ショスタコーヴィチソリストは、予定されていたクニャーゼフがキャンセルで変更になったんですが、ブズロフという人もうまいです。ただ、ちょっと威勢が良すぎる感はあったかな。ラフマニノフは普通にいい演奏。

5/20 Fri アレクサンダー・リープライヒ指揮大阪フィル定期*
プロコフィエフ:古典交響曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調K466
シューマン:『森の情景』〜予言の鳥、別れ(アンコール)
プロコフィエフ:アレクサンダー・ネフスキー
アンデルジェフスキ(pf)
小山由美(a)
大阪フィルハーモニー合唱団

アンデルジェフスキがすばらしかったです。とにかくあんなに繊細なピアノはなかなか聴けるもんじゃないですね。ここぞというときに使う弱音がまたいい。シューマンのアンコールも最高でした。アレクサンドル・ネフスキーは緩急を大きく取ったメリハリの効いた演奏。こういう曲だからこれでいいんじゃかと思います。盛り上がったし。

5/31 Tue 19:00 飯守泰次郎指揮関西フィル 第229回定期
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番ニ短調K466
シューベルト(コチシュ編曲):セレナード(アンコール)
ヴァーグナー:楽劇『ジークフリート』第1幕
ケマル・ゲキチ(pf)
竹田昌弘(t, ジークフリート)
片桐直樹(bs, さすらい人)
二塚直紀(t, ミーメ)

ゲキチはデムスの代役(震災のせいではなく、病気でキャンセルだそうです)なんですが、アンデルジェフスキのすばらしい同曲を聴いたあとだと、さすがに不利。アンコールのシューベルトの自由な演奏を聴いていると、この人はもっと遊べる曲の方が持ち味が出たんじゃないかなと思いました。
ジークフリートは良かったです。おなじみの竹田さん片桐さんはいつもながらすばらしいです。二塚さんははじめて聴きました。ミーメというとツェドニクとかグレアム・クラークみたいな鋭い声のイメージが強いんですが、二塚さんはもうちょっとリリックな感じ。でもこういうミーメもありです。飯守さんと関西フィルは文句なし。