10/25 関西二期会『ドン・カルロ』

関西二期会第81回オペラ公演
創立50周年記念 ヴェルディ 歌劇『ドン・カルロ
※全4幕/イタリア語上演・字幕付き
【上演時間 3時間30分予定(休憩2回含む)】
日 時 2014年10月25日(土) 開 演 16:00  (開 場 15:15)
会 場 芸術文化センター KOBELCO大ホール

出演
フィリッポ2世 片桐直樹
ドン・カルロ 小餅谷哲男
ロドリーゴ 大谷圭介.
宗教裁判長 フルヴィオ・ヴァレンティ
エリザベッタ 泉貴子
エーボリ公女 福原寿美枝
テバルド 西田真由子
修道僧 西田昭広
天よりの声 日紫喜惠美
レルマ伯爵 角地正直
合唱 関西二期会合唱団
管弦楽 関西フィルハーモニー管弦楽団
指揮 ダニエーレ・アジマン
演出・装置・衣裳 カルロ・アントニオ・デ・ルチア

午後4時に始まって、終わったのは8時前という長いオペラですが、行って良かったです。
歌手で特に良かったのは、エボリ公女の福原さん、フィリッポ二世の片桐さんですね。福原さんは迫力満点なんですがちゃんと美しい声で、この難しい役にぴったり。片桐さんも威厳のある堂々たる王様。ドン・カルロの小餅谷さんも例によって美声で良かったです。
逆にちょっと…と思ったのはロドリーゴでした。ヴェルディでも屈指のカッコいい役ですから、やっぱりもっと男性的な声の魅力と表情が欲しかったです。

装置は、最初の場面では真ん中に普通の大階段、その両脇に傾斜のゆるい大階段二つがあって、修道院の前の階段を表していていたんですが、これらの階段を場面ごとに並び替えて、後ろのスクリーンに象徴的な紋章や空などを映して、いろいろな場面を作っていました。適度に抽象的、適度に具象的な装置で、現代のイタリア・オペラ上演では標準的なものでしょう。衣装は、わりとリアルに当時のスペインっぽいものを使ってました。それはいいんですが、色合いやデザインが似ているので、ちょっと人物の区別をつけづらかったかも。主役級はいいんですが、墓から出てくるカルロ五世とかはもっとわかりやすくしても良かったかもと思いました。

関西フィルは大健闘でした。定期演奏会でもそうなんですが、この10年で一番成長したオーケストラじゃないでしょうか。とにかく昔とは全然違う輝きと表情の豊かさがあります。

演出(人物の動かし方)は別に前衛的なものではなく、ごく普通だったんですが、ドン・カルロが気絶してカルロ五世が墓に引き込むはずの最後の場面、ドン・カルロが跪いて、それをカルロ五世がマントでひらりと包んで保護するような感じにしてました。あれはどういう意味なんでしょうね。理由がよくわかりませんでした。