2014年7月のコンサート その2

7/18 Fri 19:00 ザ・シンフォニーホール
ハンスイェルク・シェレンベルガー指揮関西フィル
セバスチャン・ジャコー(fl)

モーツァルト魔笛序曲
C.P.E.バッハ:フルート協奏曲
[アンコール]ドビュッシー:シランクス
ショスタコーヴィチ交響曲第5番

シェレンベルガーの指揮を聞くのは初めてでしたが、いいですね。魔笛序曲は、速めのテンポで爽快な演奏。弦もしっかりしていて良かったです。C.P.E.バッハは面白い曲。ジャコーのフルートは、私の席の関係か(いつもの通り3Fバルコニーなので)やや音が小さく聞こえましたが、うまいです。フィナーレとかすごかったですね。アンコールのシランクスは、神秘的な茫漠とした感じではなく、はっきり分節した演奏。
ショスタコーヴィチは、荒いところもありましたが迫力のあるいい演奏でした。演出としては、普通はテンポを落とすところで落とさないことが多かったかと思うんですが、せわしない印象はありませんでした。関西フィルは、弦の音程が揃ってないところがまあまありました。第3楽章のオーボエ・ソロがうまかったです。シェレンベルガー指揮でさぞ緊張したでしょう、などというのは素人考えですかね。

7/19 Sat 15:00 フェスティバルホール
ユベール・スダーン指揮大阪フィル
シューベルト交響曲第5番
ブルックナー交響曲第4番

シューベルトは、流れるようにやるのではなく、アクセントを強調して(指揮の身振りも大きかったです)随所に引っかかりを作ったなかなかユニークな演奏でした。シューベルトらしからぬ、と言ってもいいかもしれません。第三楽章で、トリオの前後に全休止を入れて、主部とトリオのテンポもはっきり変えていたのも特徴的。この曲、のんきなようで結構短調のところも多いので、全体に劇的な性格をきわだたせようとしたんでしょうか。

大阪フィルでブルックナーの4番はパーヴォ・ヤルヴィ以来だったそうです。スダーンのブルックナー、良かったです。前へ前へという推進力が気持ちいいし、迫力も十分だし、弦はよく歌ってとても表情豊か。面白かったのは、ときどき民族舞曲風に跳ねるようなリズムを強調したりするところ。この曲、こういうところもあったんだ、という驚きもありました。ミスはまあ多少あったんですが、伝わるものはちゃんと伝わったんで、全然OKです。


7/24 Thu 19:00 ザ・シンフォニーホール
アラン・ブリバエフ指揮 日本センチュリー響 イアン・バウスフィールド(tb)
レスピーギ組曲「鳥」
ブルジョワトロンボーン協奏曲Op.114
シベリウストゥオネラの白鳥
ラヴェル組曲マ・メール・ロワ

ブリバエフはいい指揮者だと思います。そしてセンチュリーはやっぱりうまいし、安定しているし、音が美しいですね。でも客の入りは6割ぐらい。毎回ほぼ満員の京響やPACはもちろん、在阪の他のオケに比べても結構差があります。どうしてでしょうね。チケットの値段設定?指揮者や曲目が地味だから?営業活動が足りない?
今回のマ・メール・・ロワなんてすばらしかったです。日本のオケではなかなか聴けない洗練された音。鳥も良かったです。トゥオネラは、イングリッシュホルンは見事でしたが、ややリズム感が縦割りな感じ。ブルジョワ Derek Bourgeois のトロンボーン協奏曲は、超絶技巧はわかるけれど音楽的にはガチガチの古典的な協奏曲ですね。トロンボーンを吹いている人には人気がある曲のようですが、正直、私にはあまり面白くなかったです。あと、いわゆるトロンボーンならではみたいな、朗々とした歌とかグリッサンドがほとんどなかったのは、なんか理由があるんでしょうかね。