2014 最近行ったコンサート2

3/21 PAC定期 フェドセーエフ
ベートーヴェン交響曲第4番
チャイコフスキー交響曲第4番
[アンコール]チャイコフスキー:弦楽セレナード〜ワルツ
白鳥の湖』〜スペインの踊り
ベートーヴェンは速くもなく遅くもなくの中庸なテンポで、フェドセーエフにしては普通かなと思ったら、第一楽章の再現部に入るところものすごくテンポを落として、5番の終楽章へのブリッジみたいにやってくれました。ベーレンライター版使用。
 チャイコフスキーは第1楽章のテンポの構成が指揮者によって結構違っていて面白いんですが、フェドセーエフは遅めのインテンポで始めて、第二主題が終わって長調になるあたりでテンポを上げてました。そのまま展開部、再現部へ進む感じ。第2楽章はトリオでぐっとテンポを遅くしていたのが印象的。そのままアタッカで第3楽章(見事なアンサンブル)へ行くのはちょっと珍しいですね。アタッカではなく休止をおいてフィナーレ。最初の賑やかな部分がおわって、木管が「白樺が立っていた」を吹くところで、食い気味に入っていくのがまた独特。二回目に弦で出てくるところでも食い気味でした。ただ、こういう風変わりな演出をしてもあざとく感じられないのは人徳でしょうかね。
 アンコールの弦楽セレナーデのワルツは、濃い表情でドラマティックな演奏でした。コーダやや遅めなのが余情を感じさせて良かったです。「スペインの踊り」はスカッとしました。

4/5 Sat 15:00 井上 大阪フィル ショスタコーヴィチ

4/5-11 METライブビューイング イーゴリ公
下に書きました。

4/8 庄司紗耶香&メナヘム・プレスラー
いずみホール
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 K.454
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための二重奏曲 イ長調 op.162 D.574
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番 ニ長調 op. 137-1, D. 384
ブラームス:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番 ト長調 op.78「雨の歌」
[アンコール]ドビュッシー亜麻色の髪の乙女
ショパンノクターン第20番
ブラームス:ワルツ第15番
ショパンマズルカ第11番Op.17-4

プレスラーは90歳!まさかこの年で来日してくれるとは。正直、指の回りとかパワーとかは若い人と同じというわけにはいかないんですが、そのハンディを上回る良さがあるから庄司さんも共演しているわけですし、われわれも聴きに行くわけです。実際、指が速く回らなくても大丈夫な曲が選ばれていたし、庄司さんの解釈も全体に穏やかなテンポで、多少プレスラーに合わせていたんだと思います。でもそれを窮屈とは全然感じませんでした。

4/12 Sat 15:00 PAC定期 佐渡裕指揮
グリンカルスランとリュドミラ序曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ドミトリー・メイボローダ(pf)
[アンコール]ラフマニノフ前奏曲Op.32-5&Op.23-5
チャイコフスキー:悲愴
[アンコール]ヨハン・シュトラウス&ヨゼフ・シュトラウス:ピチカート・ポルカ
[アンコール]ヨハン・シュトラウスII世:トリッチ・トラッチ・ポルカ

ただでさえ人気のPAC管ですが、今回は佐渡さんの指揮、しかも人気曲ばかりということで早々と売り切れていました。演奏は言うことないでしょう。メイボローダはうまいし、情熱的で彫りの深い佐渡さんの指揮はこういう曲にはぴったり。しかもアンコールも大サービス。

4/19 イーサッキラ指揮名古屋フィル 三浦文彰(vn)
サロネン:ギャンビット
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 オリジナル版
アンコール パガニーニ:パイジェルロの『水車小屋の娘』より「うつろな心」による変奏曲
シベリウス交響曲第5番 オリジナル版

名古屋まで遠征しました。まさかシベリウスの5番とヴァイオリン協奏曲の初稿版が、それも1度の演奏会で聴けるとは思いませんでした。しかし一番驚いたのは三浦さんでした。もううまいのなんの。改訂版よりもだいぶ難しそうな初稿を軽々と、しかも面白く弾きこなしてしまうんですから。アンコールに弾いてくれたパガニーニがまたすごかったです。とにかくピチカートで音階を弾くところを、グリッサンドなみの速さで弾いてしまうのには唖然。

両曲の初稿についてはヴァンスカ盤が出たころに言い尽くされてますが、いろいろ興味深いです。協奏曲の初稿はとにかくこれでもかとヴィルトゥオーゾ的な要素が盛り込まれていて、最初は本当に北欧風のパガニーニみたいなのが書きたかったんだろうなと思いました。これを改訂してあの決定稿が出来上がったということに感心します。5番の方は、初稿では第1楽章の最初と最後が、いつの間にか始まっていつの間にか終わる感じになっているのに対して、決定稿では冒頭が堂々とした感じになっていて、最後は旧第2楽章と一体化してしまっているので、このいつのまにか感が減退しているというのが面白いです。この、いつのまにかはじまっていつのまにか終わるというのは、4番や6番と共通した傾向なんですが、5番では多少迷いがあったということでしょうか。

名古屋フィル、いいオーケストラになってますねえ。うまいし、響きもきれいだし。曲が曲だけになかなか難しいですが、イーサッキラも腕の確かな指揮者じゃないかと思います。

4/25 Fri 19:00 下野/京響
ドヴォルザーク三部作
ヤナーチェクシンフォニエッタ

4/29 14:00 デュメイ 関西フィル
ジェラール・コセ(vl)
イタリアのハロルド
[アンコール]バッハ(コセ編曲)無伴奏チェロ組曲第2番〜プレリュード
[アンコール]ビゼーアルルの女第1組曲〜アダージェット