最近行ったコンサート

2014年になってから行ったコンサートです。

1月11-17 METライブビューイング ファルスタッフ マエストリ(br) レヴァイン指揮
なによりレヴァインの指揮というのがうれしいですね。歌手も主役のマエストリ始め良かったです。カーセン(この人の『ホフマン物語』は好きじゃありません)の、50年代のアメリカっぽい演出は、そう違和感はないけれど、必然性も感じないというか。

1/18 土 佐渡/PAC定期 佐渡 ローマ三部作
このコンビらしい元気いっぱいの演奏で、楽しかったです。特に「松」の、会場全体を使ったサウンドスケープが面白かったです。トランペットを客席一番後ろの外で吹かせたり、小鳥も録音と水笛と両方使ったり。

1/24 下野 大阪響定期
シェーンベルク:ヴァイオリン協奏曲(川久保賜紀 vn)
[アンコール]パガニーニカンタービレ
スッペ序曲集『ウィーンの朝昼晩』『快盗団』『美しきガラテア』『スペードの女王

シェーンベルクの協奏曲は生で聴くのははじめてです。川久保さんは好きなヴァイオリニストなんですが、この曲を楽しむにはまだこちらの修行が足りんかなーという感じ。アンコールのパガニーニカンタービレ』は良かったです。スッペは文句なし。大阪響はこういう曲ではとても明るく楽しい演奏を聴かせてくれます。アンコールで軽騎兵というのもうれしいです。

1/25 土 14:00 テミルカーノフ STPO シンフォニー
チャイコフスキー
ヴァイオリン協奏曲(庄司紗矢香 vn)
交響曲第4番

下の記事を見てください。

2/10 Mon 19:00 ギルバートNYP 小曽根(pf) シンフォニー
ブリテン青少年のための管弦楽入門
ガーシュウィンラプソディ・イン・ブルー
チャイコフスキー交響曲第5番

管弦楽入門は好きな曲なんですが(フーガでハープが入ってくるところとか大好きです)、これをニューヨーク・フィルで聴けるとはうれしい。オーケストラの音そのもの、各奏者のソロのうまさを楽しむには最高の曲です。小曽根さんのガーシュウィンは、例によって即興之たっぷり入ったやつです。ただ、日本のオケとやるときは、小曽根さんが一人でひっぱっていく、というか、こういうと語弊があるかもしれませんが、「ジャズを教えている」感じなんですが、今回はもう最初のクラリネットから、このオケは全員が「ジャズを知っている人」なのだなというのがぱっとわかる音でした。多少小曽根さんが礼儀正しく見えたぐらいです。でもこれは良かったです。アンコールは、小曽根さんがソロで弾き出すと、コントラバス(ベースとして)、トロンボーン、サックスが順に加わって、セロニアス・モンクの「ブルー・モンク」。

後半のチャイコフスキーは、音も美しいし、ものすごくうまいんですが、音楽が全然流れないのに驚愕しました。なんというんでしょう、テンポは早すぎもせず、遅すぎもしないんですが、第1楽章も第4楽章も推進力が全然感じられない。スヴェトラーノフフェドセーエフやロジェストヴェンスキーや朝比奈や大植やいろんな指揮者でこの曲を聴いてきましたが、こんなのははじめてです。あまりに変わりすぎてて、すぐに否定するのもためらわれるレベル。
アンコールは「ルスラン」序曲でしたが、こちらもそうでした。うまいんですが、スピード感はそれほどではない。ギルバートってこんな感じでしたっけ。

2/11 Tue フライブルクバロックo.(西宮)
ブランデンブルク協奏曲全曲
[アンコール]テレマン:ヴァイオリン・オーボエ・ホルンのための協奏曲TWV54:F1〜ジー

順番は162354だったかな。良い演奏だったと思いますが、個人的にはブランデンブルク全曲よりは、何か半分ぐらいは知らない曲が入ってるほうが良かったです。

2/21 Fri デスピノーサ 大阪フィル定期
ヴァーグナー:トリスタン〜前奏曲と愛の死
マーラー交響曲第4番
マグダレーナ・アンナ・ホフマン(s)

デスピノーサって全然聴いたことがなかったんですが、良かったです。最初のトリスタン前奏曲、ああいう曲なのにものすごく忙しく振ってましたが、鳴っている音楽は落ち着いた音でとても柔らかく流れるというのが面白かったです。独唱のホフマンさんは、声も良かったんですが舞台姿や出方などもちゃんと配慮していて印象に残りました。例えば「トリスタン」の前奏曲の間、歌手は待ってなきゃいけないのですが、下を向いたり水を飲んだりということはなく、内から何かの感情がわきあがるような、あるいは何かを見つめているようなようすで、イゾルデになりきっているのです。マーラーの独唱者がどのタイミングでどう出てくるかというのもそれぞれなんですが(昔アメリンクが3楽章のクライマックスで堂々と出てきたこともありました)、ホフマンはオーケストラの後ろから、ここはどこかしらという感じで見回しながら出てきて(まるで天国に来た人のように)そのままオケの後ろで歌っていました。

2/22 Sat PAC定期 井上道義ピカソと音楽」
サティ:パラード
R・シュトラウスドン・キホーテ堤剛 vc ダニール・グリシン vl
[アンコール]アルメニア民謡 'Eshkhemed'
ビゼーアルルの女第1、第2組曲
[アンコール]パスカル・マルキーナ・ナロ:エスパーニャ・カーニ

ドンキホーテ」の堤さんは良かったです。71歳だそうですが、ドンキホーテというのは、老いてなお情熱を失わない老人が主人公の物語ですから、ぴったりかも。序奏のところで独奏の二人の姿が見えないのでどこにいるかと思ったら、オケの中に座って弾いていて、ソロになるところで出てくるという演出も良かったです。アルルもいい演奏でした。子供のころからよく知ってる曲ですが、この曲を生で全部聞くのは初めてかも。パラードは、水槽にアヒルを浮かべたり、いろいろ見せる工夫はしていましたが、どうも私はこの曲、退屈に感じます。まあ、サティの意図したのは始めも終わりもない海鼠のような音楽でしょうから、コンサートで座ってお行儀よく聴く曲じゃないのかも。

2/28 Thu 寺岡 大阪響定期
フランツ・シュミット
歌劇『ノートルダム』から前奏曲・間奏曲・謝肉祭
ベートーヴェンの主題による協奏的変奏曲
クリストファー・ヒンターフーバー(pf)
交響曲第3番

前代未聞のオール・フラシュミ・プロでした。第3交響曲はペシェク指揮のCDで何度も聴きました(メータの4番のCD化より先だったので、一時期唯一のフラシュミ交響曲のCDだったのでは)。メロディは普通にきれいなんですが、その下でいろいろ複雑なことをやっていたりして、相当変わった曲になっています。なんか、昔の皇帝の宝物とかで、日用品なのにやたらに宝石やら金銀で装飾されてるのがありますが、あんな感じ。私は好きですねー。後期ロマン派マイナー作曲家には、毒にも薬にもならないのがたくさんありますが、これは違います。
変奏曲は左手用の曲ですが、両手で弾いてました。ちょっと長いかねー。

3/8 Sat 14:00 びわ湖ホール 死の都
大変良かったです。装置も趣味がいいし、見飽きたようなレパートリーじゃないので変な読み替えをしてないのもいいし、歌手も非常にレベルが高かったです。歌手はあんまり動いて演技をするのではなく、わりとつったってましたが、それもいいんじゃないでしょうか。

3/15 尾高 大フィル シベリウス1 皇帝 フレイレ
シベリウスは、アンサンブルがいつもより甘いかなーと思いましたが、良かったです。フレイレはどうでしょうねえ。立派ではありますが、もっと若い人の方が良かったかも。

3/16 Vペトレンコ オスロフィル DSCH5 グリークPC ASオット
ペトレンコは細かいところまでコントロールが行き届いた良い演奏。アリスさんはいいピアニストですね。