ケントリッジ演出の《鼻》面白い!

 11月20日なんばパークスシネマに行って、METのライブビューイングで、ケントリッジ演出のショスタコーヴィチ《鼻》を見てきました。面白い! ケントリッジの演出、カッコいいですよー。ステージの背景にはケントリッジサンクトペテルブルクで買ってきたという古い百科事典の記事が貼り混ぜになっていて、そこに映像(大半は影絵みたいなアニメーション)が映し出されるんですが、これが非常にこの不条理な話と合っているのです。映像を使ったオペラ演出は最近多いですが、単に経費節減のためだなと感じてしまうとがっかりします。ただ、今回はさすがケントリッジ、そんなことは全然なくて、映像でなければできないこと、映像ならではの面白さというのがちゃんと感じられました。こういうのは大歓迎です。

 なお、鼻がなくなってしまったコヴァリョーフは特殊メイクでもするかと思いきや、何もしていませんでした。ちゃんと鼻があるのに鼻がないないと嘆くわけです。これも何か意図がある(実はコヴァリョーフの妄想とか)のかなとも思いましたが、よくわかりません。

 歌手も、スメルコフという人の指揮(私は初めてでした)も良かったです。歌手はロシア人が多かったですが、コヴァリョーフはブラジル出身のパオロ・ジョットという人でした。私は警察署長役の人の素っ頓狂な声が気に入りました。まだ2日(22日まで)あるので見に行ける方はぜひ。





写真はなんばパークスのイルミネーション。毒々しい色彩感覚がナンバっぽくていいです。